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女性は特に注意「外反母趾」
外反母趾とは、足の親指(母趾)が小指側に曲がり、「く」の字のように変形し、母趾の付け根の腫れや痛みのために、靴を履いての歩行に支障をきたす状態をいいます。
さらに悪くなると、足の裏に胼胝(タコ)ができたり、母趾が第2趾の下にもぐりこんだりすることもあります。
関節リウマチの合併症として生じることもありますが、原因としてはハイヒールなどの先の細い靴、性(9対1で女性に多い)、遺伝的要素(母、祖母に外反母趾が多い)が関係してきます。
最近ハイヒールを履く女性が多くなり、それにつれて外反母趾が増加しておりますので、靴の影響が最も考えられます。遺伝的影響として、足の形や足趾間の靭帯・筋肉の緩みや弱さなどによる軟部組織のアンバランスなどが考えられます。
●検査と診断
外見からでも診断は可能ですが、正確には足部のレントゲン写真で診断します。第1中足骨と第1基節骨のなす角を外反母趾角と言い、15°までを正常、15~30°までを軽度、30~40°までを中等度、それ以上を重度としています。
また第1中足骨と第2中足骨の長軸がなす角度をM1M2角と言い、10°までを正常としています。
同時に偏平足や開張足(足趾の付け根の横幅が広がった状態、つまり横アーチが低下)を合併することもあります。ただし、これはあくまでも便宜的な分類で、痛みが必ずしも重症度に比例しません。治療のポイントは痛みを和らげることにあり、足の形を元の形に戻すことではありません。
●治療方法
①保存療法(手術しない治療法)
装具療法と運動療法があります。中等度以上の外反母趾は、痛みが強くなったり、変形が進む事が多いので、予防することが重要です。
靴を選ぶことが最も大切で、ハイヒールや先の細いパンプスなどを避け、ヒールは3cm以下、趾が動かせる余裕があり、前後に滑らず趾の付け根の周りがきつくない靴を選びましょう。
靴に当たって痛いため、幅が広過ぎる靴を選びがちですが、足の内側と外側の支えが不足し開張足になりやすくなるので、突出部のみを押し出して靴を改造したほうが良いでしょう。
②装具療法
まず、アーチサポート(靴の中敷のようなもので、土踏まずの部分を少し高くする装具)は縦アーチを、中足骨パッド(足趾の付け根の部分にある出っ張り)は横アーチの低下を防止し、痛みを和らげます。しかし、高くしすぎると、靴が浅くなり甲が当たったり、踵での支えが悪くなります。
●運動療法
足趾でのタオルをつまみ寄せる訓練、ホーマン体操(ゴムバンドを両方の母趾にかけ、母趾を内側に動かす訓練)などがありますが、変形を元にもどす効果はなく、いずれも進行を遅らせる程度の効果です。それでも痛みが強くなる場合には手術を行うことになります。
④手術療法
●日常の対策など
まずは靴をできるだけスニーカーなどにして、どうしてもハイヒールを履かなければならない時にはその時だけ履くようにして、両方持ち歩くようにしましょう。先に述べたように、足趾でタオルを引き寄せる訓練、ホーマン体操を日常の生活に取り入れてください。
海道整骨院では外反母趾の治療も行っております。
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